菅義偉総理の任命拒否で分かった日本学術会議の「学問の自由」と日本経済の危機打開

日本学術会議 任命されなかった教授が抗議活動で改めて訴え

菅義偉総理が日本学術会議の会員改選で6人を任命拒否したことから当事者は「学問の自由への侵害であり、研究者を委縮させる」とする反対表明をしました。

また野党も「今まで形式的任命に過ぎないとしていたのに突然に変えるのか」と前例主義で既得権益擁護の的外れな追求をしています。

任命拒否の明確な理由を公表しなかったためにマスメディアや関係者は今まで通りの単純反発を示したようです。

まるで河野行政改革担当大臣が言った「前例主義、既得権、権威主義の最たるもの」ではないかとSNSやYouTube等で騒がれることになりました。

背景には米中貿易戦争があり、直接の関連は感じられないかも知れませんが、対中国政策展開の洗礼でもあったのです。

人民解放軍は中国共産党による世界革命を担う私兵

中国人民解放軍が唱える「第一列島線」は、九州を起点に、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島にいたるラインを指しており、中国海軍および中国空軍の作戦区域・対米国防ラインと考えられています。

日本人にとって九州や沖縄が入っているのは何故なのかと訝るのが一般的ですが、かつて朝貢貿易を行っていた地域(シンガポールからインドシナ半島全域、タイ、ネパール、朝鮮半島、琉球など広大な地域)は、「清の版図でありながら列強に奪われた中国固有の領土である」として中国人には違和感がそれ程ありませんでした。

また「台湾は中国の不可分の一部」と中国共産党が宣言をしていますので、漢民族による領土拡大による世界革命は台湾はおろか周辺諸国まで留まるところを知らないのです。

中国共産党は自らその暴力的侵略性と反民主主義の性格を世界に示す

中国共産党の暴力的独善性は発展途上国であったならば無視出来たのですが、国連の常任理事国入りして経済大国となった現在では西欧民主主義陣営にとっては国家社会主義ナチスの台頭を連想させる程の危機感をもたらしました。

今までは新疆ウイグル自治区やチベット自治区あるは法輪功やキリスト教徒への弾圧などで一定の懸念材料はあったのですが、自由主義諸国も我が身に降りかかっているわけではないので見て見ぬ振りをして誤魔化して来たのです。

生体臓器移植が不自然な件数で実施されており、国家的な臓器売買取引が行われていることが証言されています。

中国共産党政府はこの様な批判を「内政干渉」であるとして反省することもありませんでした。

新型コロナウィルスを隠蔽してパンデミックとなった

2019年11月頃には中国では新型コロナウィルスの存在が確認されており、その特異な危険性が武漢市より度々警告されていましたが、共産党中央政府は反政府分子が騒擾を企んでいるとして、医療関係者からの証言を隠蔽しました。

しかし、元々が人民解放軍傘下の武漢ウィルス研究所で人為的に作成されたウィルスが放逸されたもので、既に被害を熟知していた習近平政権は2020年2月2日に武漢市の「火神山医院」を工期10日ほどの「超突貫工事」でほぼ完成させ、人民解放軍に引き渡したのです。

最初の感染地として知られる武漢の一般市民や医療従事者からは、当局の警戒を縫ってSNS上に共産党による隠蔽と感染被害の実態が暴露されることになりました。

中国政府はマスクの必要性を十分に認識して、世界中から善意の見舞いのマスクを受け取るだけでなく、既にパンデミックとなって拡散していることを把握しながら中国国内にある日本企業の工場からの外国への出荷を禁止して、全て自国民用として確保したのです。

そのおかげで入荷しない日本国内ではマスクの買い占めが横行して、更に中国を批判しない国へだけマスクを輸出するという「マスク外交」となったことに世界は一斉に驚きと衝撃を受けました。

香港の「国家安全維持法」施行で本性を現した

全国人民代表大会(全人代)常務委員会が6月30日に全会一致で可決され、同日午後11時より施行された「香港国家安全維持法」は従来の「一国二制度」を一方的に破棄して、香港を中国の一都市と宣言しました。

ある意味で香港は英国が19世紀にアヘン戦争で手に入れた軍需獲得品だったので、「一国二制度」とは言っても中国共産党にとってはようやく祖先の仇を取ったに過ぎないのかも知れませんが、自由と民主主義を重んじる現代国家から見ると約束を平気で破る中国共産党政府の横暴には戦慄を禁じえなかったのです。

中国の兵法家孫子が「兵は詭道なり」と言いましたが、政治は結局は騙しあいに過ぎないのかも知れません。

尖閣諸島への海警局公船の連続巡回により第一列島線への野望を現す

中国は新型コロナウィルスの蔓延に比例するかのように連日尖閣諸島沖の接続水域へ海警局公船を入らせています。

自国領海だとして現地の漁民に嫌がらせをするように接近する他、中国の警備艇も徐々に大型化しており、海上保安庁の巡視船では対抗不能になりつつあります。

尖閣への本格的侵入に至らないのは海上保安庁の職員の命がけの活動の賜というだけでなく、日米安保条約によって米軍が控えているからに過ぎません。

あるいは本命は台湾攻略にあって、尖閣諸島は第一列島線上にあるので東側のキーポイントとしてマークされているのかも知れません。

中国人民解放軍が空母を伴って本格的に姿を現す時に、日本は黙って手放すのでしょうか、あるいは単独でも反撃を加えるのでしょうか。

日本学術会議の学問の自由

日本学術会議 任命されなかった教授が抗議活動で改めて訴え

日本学術会議 任命されなかった教授が抗議活動で改めて訴え 引用元:NHK

一方ではお花畑的思考に占拠された日本の学者や進歩的知識人たちは中国の「孫子の兵法」による侵略に対してその先兵の役割を果たしました。

戦前の軍部への協力によって戦火の拡大と民衆の悲愛の増幅に寄与してしまったことへの反省が先に立ち、もともと彼らの善意から出たことなのですが、このような東京裁判史観とも呼べる戦後教育は日本人の国民性と呼べるほどに浸透していたのです。

日本学術会議の発祥

日本学術会議設立には連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の指示の下に、日本の物理学者の仁科芳雄博士と共に旧体制を刷新して創設されました。

ですから当初から会員の思惑とは別に米軍による支配論理が働いて、軍事研究を否定する「憲法九条」に沿った活動が中心となりました。

米軍にしてみれば劣等な被支配民族日本人だから二度と米国に立ち向かう研究などさせないという差別意識もあったのでしょう。

「学問の自由」の名のもとに、国からの補助金だけを頼りに研究を続けることは実際困難ですから、多数の研究者は外国政府企業や日本企業からの献金を当てにすることになりました。

中国の1000人計画とは

海外における科学分野で優秀な人材を破格な好条件で採用するという中国政府によるヘッドハンティングのことを「千人計画」または「海外ハイレベル人材招致計画」と言います。

中華人民共和国国務院が科学研究、技術革新、起業家精神における国際的な専門家を認定し、採用するために2008年に策定した計画・制度です。

日本でこの「千人計画」に合格した研究者の一例は下記の通りです。

新井健生(大阪大学名誉教授)
宇高義郎(横浜国立大学名誉教授)
柿島眞(筑波大学名誉教授)
梶野敏貴(国立天文台教授)
田村幸雄(東京工芸大学名誉教授)
服部素之(復旦大学教授)
廣田薫(東京工業大学名誉教授、日本学術振興会北京連絡センター長)
福田敏男(名古屋大学名誉教授、元日本学術会議会員)
藤田豊久(東京大学名誉教授)
松尾豊(名古屋大学教授)
森欣司(東京工業大学名誉教授、元日本学術会議専門委員)
~引用元 フリー百科事典ウィキペディアより

日本政府は科学技術の研究に対しては余り優遇をして来なかったせいで、優秀な人材は海外を目指して日本を脱出することがブームとなりました。

米中貿易戦争などは存在しない時代には、米国に行ったり、EUへ飛んだり、あるいは1000人計画に合格した研究者が中国へと日本を離れました。

菅義偉総理は学問の自由を侵害したのか?

日本学術会議が「防衛研究は認めないが、中国の軍事研究には参加する」という結構な反日組織となっているという噂がSNSで歩き回っています。

米国では1000人計画に参加している研究者が中国のスパイとして続々と逮捕されています。

日本では連合などの労組が親中であるのは当然として、経団連などの経済団体も中国への企業進出が多いので米国のようなスタンスは取れないでしょう。

菅総理もまだ全面的な反中に傾いてはおらず、今回の任命拒否は左翼活動家が叫ぶような「学問の自由」とは関係ない、10億円強に上る予算の削減という緊縮財政の一環としての問題提起と思われます。

任命拒否の目的は無駄な経費節減だけか?

理由を言わないで任命拒否をすれば巷では噂が漂って、予想したように「学問の自由の侵害だ」という声が聞こえて来ますから、逆に日本学術会議の反日的活動実態が公になります。

しかし党内の親中派にすればそうなることは望みませんので、首相のケチな性格だから仕方ないという落ちに持って行くのでしょう。

裏側には米国による対中国包囲網構築がある

米中対立がここまで先鋭化している現在、米国は日本の対中貿易に対して懸念しているはずです。

米国ポンペオ国務長官が韓国訪問をキャンセルして、大統領選挙選の最中に関わらず日米豪印外相会合に出席するために来日しましたが、対中国包囲網を作ることが大前提です。

オーストラリアなどは日本以上に中国が進出しておりましたが、中国からの経済的脅しに屈せずに反発して反中の旗を翻しました。

日本も先行きを考えれば中国とは断交することもあると思うのですが、現状では中国からの貿易で利権のある経済人や政治家が政府与党内に蔓延っているため党内圧力で中途半端な態度とならざるを得ません。

進退窮まった二階幹事長のあせり

2015年、舞台で習近平国家主席と握手する二階幹事長(3000人の訪中団随行) Kim Kyung Hoon-REUTERS

2015年、舞台で習近平国家主席と握手する二階幹事長(3000人の訪中団随行) Kim Kyung Hoon-REUTERS

山口県は1区から4区まであって、4区は安倍前総理のお膝元で、3区が二階派の河村建夫元官房長官(77)が座席を確保しています。

この3区へ、岸田派の林芳正元文部科学相(59)のくら替えが取り沙汰されており、派閥の領袖の二階幹事長が「無理やり挑んでくるなら我々にも覚悟はあります。全力で河村先生を支えます」とヤクザの出入り前のように吠えたのです。

林芳正参院議員は年齢的に川村建夫衆院議員よりも将来性があって、実力も上回っていることから、追い詰められた二階氏の焦りと見られます。

個人的出世のために親中派の二階幹事長を留任させた菅総理

安倍前総裁辞任後の自民党総裁選挙で一早く 菅義偉前官房長官を総理総裁にすることを表明しましたが、安倍政権の後継者として既に官房長官の名前は上がっていましたので、他の派閥グループも慌てて菅支持を打ち出したのです。

日本の将来を考えるならば、親中派の二階氏は邪魔な存在となるのは明らかですので、菅氏としては排除すべきなのでしょうが、一生に一度という総理のチャンスなので国益よりも私欲優先で臨んだのです。

携帯電話料金値下げの打診や10億円強の予算のカットという国民受けするイッシューを持ち出しているのは、国民に対する罪滅ぼしの意識がさせているのかも知れません。

親中政策は当面は頓挫する運命

2022年北京冬季オリンピックが控えていて、東京オリンピックも1年遅れで開催強行が予想されています。

コロナの影響から脱しきれずに東京ではこじんまりとした大会となるでしょうが、恐らく北京大会は自由主義諸国がボイコットする可能性を捨てきれないのです。

このような状況下で中国から直ぐに全面撤退は難しいでしょうが、いずれにせよ米国か中国かを選択するならば是非はありません。

親米政策は当座の処方箋に過ぎない

日本にはGAFAに象徴されるような有力なIT企業はありません。

主な原因は米国や中国に比べて日本企業の投資能力が欠如していたことです。

日本のGDPが世界第二位で推移していた1980年代に米国でジャパン・バッシングと呼ばれた日本製品排斥運動がおこりました。

今、韓国で行われている不買運動どころの騒ぎではありませんでした。

米国は反日世論に押されて市場開放、輸入拡大を強く迫り、経済の自由化は極限に近くまで進められることになりました。

プライマリーバランスの赤字拡大が指摘されて、構造改革から緊縮財政へとスタンスを変えざるを得なくなったのです。

要求される日本独自の経済方針

緊縮財政はインフレーションにブレーキをかける政策になりますから、企業の投資は抑制されます。

失われた日本の栄光を取り戻すためには各企業の積極投資が必要ではないでしょうか。

そのためにも政府は積極的財政政策に転換して、併せて内需拡大を推進すべきです。

千年に一度と言われるコロナ危機の時代に赤字拡大を恐れて財布のひもを締めているのは日本だけという有様です。

また、戦後75年を経て「自虐史観」や「東京裁判史観」に抑えられた日本人の誇りを取り戻さなければなりません。

世界は相変わらず弱肉強食の環境に置かれているのであって、生き残るためには日本も基本政策を「富国と強兵」に変える必要があります。