市中感染が始まっている
中国武漢市発祥のコロナウィルスは水際作戦に失敗して、既に市中感染が進行しており、都市部以外にも密かに広がって来ているようです。
栃木県の県都である、ここ宇都宮市ではまだまだ緊迫状態とは程遠く、いつも利用しているコメダ珈琲店でも来店者でマスクを装着しているのは1割位しかいません。
しかし、来週になれば状況は一変していることでしょう。
感染者はいないのではなく、まだ検査をしていないので見つからないだけではないでしょうか。
ダイヤモンドプリンセス号では既に市中感染を見据えての処置?
横浜港に停泊中のダイヤモンドプリンセス号では、当初は水際作戦ということで、本当に症状が現れた乗客だけに検査を少しずつ実施していましたが、「日本の武漢」と呼ばれるに至って、全員検査をすることに変更しました。

集団感染が起きたダイヤモンドプリンセス(AFP)
検査体制が出来ていなかったからと言われていますが、日本より遥かに小さい香港や、豪華客船ウエステルダム号の上陸を許可したカンボディアでは全数検査を実施していることから、日本の検査体制が遅れた本当の理由が他にあるようです。
厚労省ではダイヤモンドプリンセス号が寄港した時点で、既に市中感染レベルに広がっている事実を把握していたので、次のステージを視野に入れて検査をしていないのではないかと思われます。
首相官邸にはいち早く情報が入っているはずで、国民世論や国際社会からの厳しい批判を受けながらも真実を話せない苦衷の程が伝わって来ます。
国会は相変わらず「桜」で揉めている
月曜日になって、マスメディアでは一挙に警戒レベルを上げて来ましたが、相変わらず感染ルートを特定することだけに躍起となっていました。
もっとも、治療薬は見通せず、他にネタがないためか、誰が誰に接触して、どう広がっているかを大半のチャンネルで報道しているようです。
既にステージは市中感染の更に深刻なレベルにまで達していることを想定して対策を立てることが必要となっています。
そんな時にテレビを付けたところ、相変わらず辻元清美議員が総理に質問をする姿が映されて、内容をよく聞いてみると例の「桜を見る会」の件で「ホテル」の領収書にあて名があるかどうかと言ったどうでもよいことを問題としているのでした。
今、国民は「命をどう守るのか」という切実な問題に直面しているので、議論しなければならないことは山ほどあるのです。
「桜」は4月になれば咲き誇るので、その頃でもゆっくり議論すればいいのであって、今は新型コロナウィルス拡散への対応策を与野党を超えて議論することでしょう。
今、早急に議論して欲しいこと
感染が既に3次、4次あるいはそれ以上にまで広がってしまった現状では何処で感染したかを議論しても余り意味はないのです。
潜伏期間が極端に長いことと、その間にも感染するという特異なウィルスであるから、地方でも潜在的な感染者は相当数存在しているものと考えられます。
わたしの隣の家の人さえも、毎日顔を合わす郵便屋さんも、ひょっとしたら感染しているのかも知れず、疑えばキリがありません。
街中のコーヒー店のマスク着用率は1週間も経たずに改善して行くでしょうが、地方ののんびりムードでもマスクが入手出来ないという事態は一向に改まらないのです。
絶対数が不足しているからというよりは、誰かがどさくさに紛れてお金儲けをしようと買いだめしていることが主原因のようです。
こういう現象は「自分の命は自分で守るしかなく、国や公共団体はあてに出来ない」という現実の裏返しと思われます。
国会の予算委員会での質疑中継を見ると、残念ながらコロナウィルス感染に対しての政治的解決を望むのは無理だと分かりました。
結局、地方の皆様もこれからは不要不急の用件以外での外出を控え目にして、テレワークが可能な仕事なら極力在宅勤務を推進しなければなりません。
運悪く感染した市民が長期間の入院を余儀なくされた場合などには、失業給付金の拡大援用をするとか、一時的に休業に追い込まれた自営業者の救済、あるいはマスクやゴーグルを各地方自治体ごとに配布する一定の数量を確保するなど、国会で臨時特例として決めなければならないことがあります。
また、今回の肺炎では通常感染よりも院内感染の方が高率となっていますので、止むを得ない重症患者以外は極力在宅での治療に専念した方が無難なようです。
簡易検査キットを早く出して、医師を通さない在宅での検査が可能となるような臨時の特別措置を講じる必要があります。
総理は「リーマンショック級の事件が起こったならば消費税増税はしない」と言ってましたが、このウィルスはそれを遥かに凌ぐ世界的経済危機をもたらしています。
東京オリンピックを迎えて、キャッシュレス社会を展望した10%還元などのキャンペーンのために金融支援手当を打ち出していますから、今すぐに消費税増税を中止するわけにも行かないでしょうが、オリンピック開催よりは国民の生命の方が重要だということを認識して欲しいのです。
少なくとも爆発的なパンデミック状態から脱することが出来ていない状況では、3月1日実施予定の東京マラソンの中止も止むを得ないのではないでしょうか。