ネットで単発仕事「ギグ・エコノミー」、新たな貧困生む
ロンドン= 寺西和男 2018年9月24日10時39分
英国でインターネットを通じて単発の仕事を請け負う「ギグ・エコノミー」が広がっている。好きな時間に好きなだけ働けるのが魅力の一方、働く側からは不安定な収入や待遇に不満の声が上がる。格差を広げかねないため、政府も対応の検討に乗り出した。
「ギグ(gig)」は、ミュージシャンがライブハウスなどでその場限りのセッションを組んで演奏することを意味する。そうした一度だけの関係から、ギグ・エコノミーは、スマートフォンのアプリなどを介して単発の仕事を請け負う働き方を指す。英政府の2月の報告書では、英国本土で昨年夏までの過去1年間にギグ・エコノミーで働いたことのある人は約280万人に上ると試算している。
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余り聞きなれない用語の「ギグ・エコノミー」はれっきとした金融用語になっている。
インターネット金融情報サイトのiFinanceによると非正規労働で一回一回仕事を請け負う就業形態として2015年頃から米国のメディアで頻繁に使用されて来たという。
<米国のギグエコノミーの代表例>
・UBER(ウーバー):配車サービス
・TaskRabbit(タスクラビット):便利屋サービス
・Airbnb(エアビーアンドビー):宿泊施設仲介
・BreezeWorks:ビジネス管理アプリ
・Amazon Home Services:家まわりのメンテナンスサービス
なるほど、これらのアプリを開発運用するレベルのエンジニアや芸能界志願者と、それを利用するだけのアルバイト労働者とでは相当の格差があるのは当たり前で、このこと自体を捉えて格差問題に結び付けるのは合理的とは言えない。
現在の「格差社会」を決定づけているのは非正規雇用の労働者の存在であり、基本的に彼らは正規労働者と同じ時間を働いているか、働こうとしているのに許されない状況下にあって、給与待遇面で差別を受けている現実がある。
一方で非正規雇用でありながら高度の専門知識を持った階層では、仕事の質的レベルで就業の選択をしており、自ら労働時間を減らしながら自由時間を増やすことによって、会社に拘束されずに自分の人生をエンジョイしている。
「ギグ・エコノミー」はネガティブな側面もあるかも知れないが、インターネット社会に画期的な便利さをもたらしていることも事実であり、雇用者側からすれば理想的な経費削減に繋がるのだ。
「格差社会」をつくってしまうのは、国のセーフティネットが充分に働いていないことが最大の原因であるが、個々の労働者の自己投資への意識が低いことも指摘しなければならない。
今後益々「AI(人工知能)」の発達によって、「ギグ・エコノミー」は伸びて行くだろうし、それによって職を失う労働者も多数出現することが想定される。
予想される未来は、いわゆる極限の「格差社会」を生み出すはずで、北欧を中心に導入実験が進められている「ベーシックインカム」こそが格差問題の弁証法的解決に繋がるのではないだろうか。
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